Debian プロジェクトニュース - 2011 年 11 月 4 日
今年 14 号目の DPN、debian コミュニティの会報、にようこそ。 この号で取り上げられている話題は:
- Debian アップデート版 6.0.3 および 5.0.9 がリリース
- DebConf12 開催期間の公式決定
- Debian Installer のローカライズ
- DebConf11 終了後のフィードバック
- Emdebian の活用
- DPL からの一言
- New Member プロセス
- インタビューの追加
- その他のニュース
- Debian の新しい協力者たち
- 重要な Debian セキュリティ勧告
- 新規の注目パッケージ
- 作業が必要なパッケージ
- これからも DPN を読みたいですか?
Debian アップデート版 6.0.3 および 5.0.9 がリリース
Debian 6.0 (コードネーム Squeeze
)
の 3 番目のアップデート、および Debian 5.0
(コードネーム Lenny
) の 9 番目のアップデートがリリースされました。
これらのアップデートは、主に重大な問題のいくつかの調整と、安定版および旧安定版の
セキュリティに関する問題の修正の追加です。
DebConf12 開催期間の公式決定
DebConf チームは DebConf12 開催期間を公式に決定したことを発表しました。DebCamp は 2012 年 7 月 1 日から 7 日まで、その後に DebConf が 7 月 8 日から 14 日まで、 ニカラグアのマナグアで開催される予定です。DebConf の初日は俗に Debian Day と呼ばれる一般向けの日となっています。より詳しい情報は、 DebConf12 ウェブページを参照してください。
Debian Installer のローカライズ
Christian Perrier さんが、Debian Installer のローカライズについて、進捗状況を報告しました。19 の言語が D-I のコア部分について最新になっています。 さしあたって 8 つの言語 (チェコ語、オランダ語、フランス語、ドイツ語、ペルシャ語、ポルトガル語、 ロシア語、スイス語) が 100% 完了しており、翻訳者のみなさんのおかげで、その他多くの言語が 近いうちに同じく殿堂入りするはずです。
DebConf11 終了後のフィードバック
Adnan Hodzic さんが 今週の Debian
インタビューの後に DebConf11
とその重要性についてまとめを書きました。彼は Debconf
事務局の内部情報を提示して、彼が他のまとめ役たちとともに得たストレスと素晴しい経験をいくらか共有してくれています。後日談の中で、
スルプスカ共和国の政府は、フリーソフトウェアやオープンソースソフトウェアを
彼ら自身で使うことを真剣に検討しているようでした。そして Adnan
さんは自分の次のプロジェクトに備えて休暇をとりました。
Emdebian の活用
Neil Williams さんは Emdebian に関する一連の記事の執筆に続き、特殊用途における Emdebian の活用に関する記事を投稿しました。
ここで言う特殊用途とは、単一機能、シェル無しの単一ユーザ、入力制限、
ハードウェア制限、ユーザデータ量制限、等の特徴を持つ用途を指します。
このような用途向けのコンピュータでは、多くの理由から Emdebian
に高い人気があります。たとえば、マシンの応答性が向上する
マルチタスクカーネルやユーザ空間を搭載しているという理由、
また Emdebian では、プロプライエタリな競合製品とは異なり、
グラフィカルなソフトウェアは中核ソフトウェアと完全に分離されているという単純な理由が挙げられます。しかし、最も主要な理由は Emdebian Grip
を使えば、より簡単にデバッグを行えるという点です。実際に、Neil
さんは次のように述べています。Emdebian Grip はこれの基となっている
Debian パッケージとバイナリレベルで互換性があるため、
高レベルユーザインターフェイスにバグが見つかった場合には、
デバイス上ではなく、デスクトップ上でデバッグ作業ができます。
DPL からの一言
Stefano Zacchiroli さんは Wheezy のフリーズが数ヶ月後に迫っており、
どんな人でもデバッグ作業に参加できることに言及しました。さらに、注目すべき議論、メンテナと移植者の責任、プライベート電子メールエイリアスを使わない理由、等について報告しました。
さらに Stefano さんはスプリント (新しいメーリングリストとの連携) と商標方針に関する最新情報を伝えました。
最近、彼はパルマで開催された Linux Day
とフロリダ州オーランドで開催された Ubuntu 開発者サミットに参加しました。
New Member プロセス
Enrico Zini さんは、New Maintainer プロセス
の名前が変わり、New
Member プロセス
になることをアナウンスしました。
手続きそのものは同じままで頭文字も変わっていませんが、
その名前はもはや混乱をまねく紛らわしいものではありません。
Stefano Zacciroli さんの提案のおかげです。
また、Jan Hauke Rahm さんが New Member フロントデスクに参加しました。
フロントデスクには nm@debian.org
で連絡をとることができます。
インタビューの追加
前号の Debian プロジェクトニュース以降、
今週の Debian
ポッドキャスト
が新たに 2 つ公開されています。
Jonathan
Nadeauさんが Ohio LinuxFest と FSF でのインターンシップについて語るものと、
Adnan
Hodzicさんが DebConf11 について語るものです。
その他のニュース
Julien Cristau さんが、最新の Debian testing ディストリビューションにおいて、 /usr/bin/python がリンクしているデフォルトの Python のバージョンが今では Python 2.7 になっていることをアナウンスしました。
Meike Reichle さんが2011 年 12 月 2 日の ヒルデスハイムヒルデスハイムから始まる、Wheezy バグ退治パーティマラソンを公式にアナウンスしました。
Debian の新しい協力者たち
24 人の人々が前回の Debian プロジェクトニュースからパッケージのメンテナンスを開始しました。 Harish Badrinath さん、 Andrew Harvey さん、 Michael Jumper さん、 Jakub Adam さん、 Tiziano Zito さん、 Zlatan Todoric さん、 Ivo Maintz さん、 Judit Foglszinger さん、 Daniel Hughes さん、 Mark Owen さん、 Rico Rommel さん、 Alex Chiang さん、 Daniel Schaal さん、 Alexander Chernyakhovsky さん、 Jerome Robert さん、 Shell Xu さん、 Sebastian Eichelbaum さん、 Jeroen Nijhof さん、 Michael Milligan さん、 Emmanuel Thomas-Maurin さん、 Arthur Gautier さん、 Kouhei Maeda さん、 Rodolphe Pelloux-Prayer さん、 Ahmed Toulan さんを私たちのプロジェクトに歓迎します!
重要な Debian セキュリティ勧告
Debian セキュリティチームは最近、(特に) 次のパッケージについての勧告をリリースしました: linux-2.6、 openjdk-6、 iceape、 iceweasel、 puppet、 openoffice.org、 quagga、 icedove、 cyrus-imapd-2.2、 policykit-1、 dokuwiki、 moin、 bugzilla、 radvd、 wireshark、 kfreebsd-8、 pam、 libfcgi-perl、 freetype、 torque、 simplesamlphp、 tor、 python-django、 phpldapadmin、 mahara、 man2html、 xen。 それらを注意深く読み、適切な措置をとってください。
Debian Backports チームは、次のパッケージについての勧告をリリースしました: puppet (アップデートアナウンス) および iceweasel。 それらを注意深く読み、適切な措置をとってください。
Debian 安定版リリースチームは、次のパッケージについてのアップデートアナウンスメントをリリースしました: tzdata (最新のアップデートアナウンス) および clamav。 それらを注意深く読み、適切な措置をとってください。
Debian Volatile チームは、次のパッケージについてのアップデートアナウンスメントをリリースしました: tzdata (最新のアップデートアナウンス) およびclamav。 それらを注意深く読み、適切な措置をとってください。
これらは、先週のセキュリティ勧告の中からより重要なものだけが抜粋されていることに注意してください。Debian
セキュリティチームが公開したセキュリティ勧告の最新情報をチェックする必要があるなら、アナウンスを受けとるためにセキュリティメーリングリスト (これとは別に backports セクションのメーリングリストと stable-updates セクションのメーリングリストあるいは旧安定版である Lenny
向けの volatile セクションのメーリングリスト) を購読してください。
新規の注目パッケージ
最近、数百のパッケージが不安定版の Debian アーカイブに追加されました。新規パッケージからの抜粋:
- dff — 強力で効果的、モジュール式のデジタルフォレンジックフレームワーク
- ebook-speaker — 合成音声による音声 eBook リーダ
- openteacher — 外国語の言葉を学習
- openxenmanager — XenApi を用いたフル機能の Xen 用グラフィカル管理ツール
- ptex2tex — 複雑になりがちな LaTeX の環境宣言を簡単に生成
- qxw — 高機能な対話式クロスワード作成ツール
- rbenv — 単純なユーザ単位 Ruby バージョンマネージャ
- shinken — 柔軟なシステム監視ツール
- unbound-anchor — ルート DNS トラストアンカーを安全に取得するユーティリティ
- x2 — GNOME デスクトップ用最新テキストエディタ
作業が必要なパッケージ
現在 400 個のパッケージはメンテナがいない状態で、 145 個のパッケージが養子確保のためにアップされています。 どうか、 あなたの援助を必要とする完全なパッケージのリストを訪問してください。
これからも DPN を読みたいですか?
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バックナンバーもご利用いただけます。
今週号の Debian プロジェクトニュースは Francesca Ciceri, David Prévot, Alexander Reichle-Schmehl, Alexander Reshetov and Justin B Rye が編集しました。